超音波によるボイラスケール厚さ測定技術

超音波によるボイラスケール厚さ測定技術の目的

火力発電所においては、ボイラの洗浄時期の判断や適正運転管理に資するため、定検毎に数本の蒸発管を切断し、管内面に付着したスケールの厚さと量を測定しています。破壊法での測定は、抜管・新管更新すると約百万円/本程度の費用を要し、さらにスケール調査費などの費用が必要となるため、非破壊法での測定が望まれています。
当社では、迅速かつ低コストでスケール厚さを測定する手法として、「超音波」を用いた測定技術を東北電力株式会社殿と共同開発しました。

特長

スケール厚さ測定について、超音波を使った手法はこれまでも実施されてきましたが、概ね100μm以下の厚さのスケールになると測定精度が悪化していました。当社は、薄いスケールの測定を可能にした測定技術「波長測定法」(特願2002−38478)です。

<測定法について>

  1. 薄いスケールの場合は、下記に説明する「波長測定法」を適用します。
    波長測定法とは

    下図のように厚いスケールであれば分離する波形が、薄いスケールの場合は合成波形となり、スケールの厚みの分だけ波長が長くなることが確認されます。この合成波形の波長から、管材の基準波長を差し引くことでスケール厚さを求める手法が「波長測定法」です。この手法は概ね100μm以下のスケールに対して適用します。
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  2. 厚いスケールの場合は、エコー間の時間(B-SB間)を測定する「エコー分離法」を適用します。
    エコー分離法とは

    スケールが比較的厚い場合は、波形が分離するため、エコー間の時間(B-SB間)を測定する。この手法は概ね100μm以上のスケールに対して適用します。

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適用事例

[実機測定について]

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顕微鏡による測定値:57μm
超音波による測定値:61μm

●実機ボイラのスケール分布の例

右図は、スケール厚さを測定した一例です。測定間隔を任意に設定することによりスケール分布の状況、最大付着部を的確に把握することが可能です。(燃料転換、運転状況により最大熱負荷部が変化します)

●測定に要する時間

50点程度の測定であれば、下記の日数で測定可能です。また事前の管表面素地仕上げが2日間必要です。

  • 準備・素地仕上げ:2日間
  • 測定:2日間
  • 後片付け:1日間(速報含)
  • 現地作業合計:5日間

報告書は後日提出となります。

●過熱器管、再熱器管への対応

過熱器管、再熱器管(蒸気系スケール)は精度内で測定は可能です。また低合金鋼、ステンレス鋼という管材質の違いについても測定可能です。

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実績

事業用ボイラ:14件(蒸発管、過熱器管、再熱器管、主蒸気管)
自家発ボイラ:10件(蒸発管)